椿の海の記 石牟礼道子 河出文庫 ☆新本

Category : 石牟礼道子


☆この本は新本です☆

椿の海の記 
石牟礼道子 
河出文庫 


はだしで盲目で、心もおかしくなって、さまよってゆくおもかさま。四歳のみっちんは、その手をしっかりと握り、甘やかな記憶の海を漂う。失われてしまったふるさと水俣の豊饒な風景、「水銀漬」にされて「生き埋め」にされた壮大な魂の世界が、いま甦る。『苦海浄土』の著者の卓越した叙情性、類い希な表現力が溢れる傑作。


「みっちんや、小母さんな、今日は悲しか。悲しかけん、焼酎呑んだ。小母さんに笑うてみせろ、よか顔ばしてみせろ」
(本書より引用)

人間というものになりつつある自分を意識するころになると、きっともうそういう根源の深い世界から、はなれ落ちつつあるのにちがいなかった。
人の言葉を幾重につないだところで、人間同士の言葉でしかないという最初の認識が来た。草木やけものたちにはそれはおそらく通じない。無花果の実が熟れて地に落ちるさえ、熟しかたに微妙な違いがあるように、あの深い未分化の世界と呼吸しあったまんま、しつられられた時間の緯度をすこしづつふみはずし、人間はたったひとりでこの世に生まれ落ちて来て、大人になるほどに泣いたり舞うたりする。そのようなものたちをつくり出してくる生命界のみなもとを思っただけでも、言葉でこの世をあらわすことは、千年たっても万年たっても出来そうになかった。

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