苦海浄土 全3部 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集) ☆新本

Category : 石牟礼道子


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苦海浄土 全3部(池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)
石牟礼道子
河出書房新社
2021年10刷


 どのようにこまんか島でも、島の根つけに岩の中から清水の湧く割れ目の必ずある。そのような真水と、海のつよい潮のまじる所の岩に、うつくしかあをさの、春にさきがけて付く。磯の香りのなかでも、春の色濃くなったあをさが、岩の上で、潮の干いたあとの陽にあぶられる匂いは、ほんになつかしか。
 そんな日なたくさいあをさを、ぱりぱり剥いで、あをさの下についとる牡蠣を剥いで帰って、そのようなだしで、うすい醤油の、熱いおつゆば吸うてごらんよ。都の衆たちにゃとてもわからん栄華ばい。あをさの汁をふうふういうて、舌をやくごとすすらんことには春はこん。
(本書より引用)

どっちみち、わしゃ田んぼも畠も持たんとでござすで、海だけが、わが海とおなじようなもんでござすが、こんだのように水俣病のなんのちゅうことの起これば、海だけをたよりに生きてゆくわしどめにゃ行く先の心細かかぎりでござすばい。
(本書より引用)



水俣の不知火海に排出された汚染物質により自然や人間が破壊し尽くされてゆく悲劇を卓越した文学作品に結晶させ、人間とは何かを深く問う、戦後日本文学を代表する傑作。三部作すべて収録。

〈ぼくがこの作品を選んだ理由 池澤夏樹〉
ある会社が罪を犯し、その結果たくさんの人々が辛い思いをした。糾弾するのはたやすい。しかし、加害と受難の関係を包む大きな輪を描いて、その中で人間とは何かを深く誠実に問うこともできるのだ。戦後日本文学からこの一作をぼくは選んだ。

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4,510円(内税)

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