近代のはずみ、ひずみ 深田康算と中井正一 長濱一眞

Category : 社会科学


近代のはずみ、ひずみ 深田康算と中井正一 
長濱一眞
航思社
2020年初版1刷

帯つき。カバー・本ともに状態良いです。書き込み見当たりません。


平民として自発的に統治に服す「大正」の教養主義が「民主」の言説だとすれば、

「昭和」前期に「独裁」が勝利した滝川事件を機に

いずれとも相容れない知識人が現出した——。

近代において批評をめぐって思考したふたりの「美学者」を解読しつつ、

天皇制、資本主義‐国家、市民社会などを批判的に剔抉する。



【目次】

まえがき

第一部 深田康算

第一章 師をめぐる喪の作業

 ラファエル・ケーベル来日 | 師の死 | 呼称に関する奇妙な配慮

 師との訣別



第二章 「型」の行方

「古き形式」と「新なる形式」 | 『武士道』と『修養』

 深田康算における美学の端緒 | 事物ノ理ヲ説キ書ヲ読ミ文ヲ作ルモ

 籠城主義から教養主義へ



第三章 ふたつのケーベル

 キリスト教的汎神論 | 「籠城」と「大洋」 | 汎神論と教育勅語

 「私の神」 | 教養主義の「誕生」

 「我々は知らない」と「我々の祖先」 | 「ドイツであった」





第四章 アポスタータ

 アポスタータとユダ | ユリアヌス | 深田康算とユリアヌス

 「恣」の詩から離れて | アレゴリー





第五章 芸術批評をめぐって

 「製作と理論」と「宗教と美術」 | 眼を閉じた後で | 批評の意義

 批評と「公衆」 | 「疑惑」とともに猥雑に | 印象批評と客観批評

 民主主義と自由主義 | 「見ゆる」もの





第二部 中井正一

第一章 師の予見?――滝川事件

 澤柳事件 | フィヒテ追放と滝川事件 | 滝川事件の方へ



第二章 ドレフュス革命として――滝川事件

 平常への回帰 | ドレフュス事件でなく | 知識人

 「ありきたり」でなく、かつ「万人向き」に | 一九三三年のドレフュス革命

 真理とマリアンヌ | 滝川事件における中井正一



第三章 ドレフュス革命後の「リアリズム」

 「昭和十年前後」のドレフュス革命 | 滝川事件前後の反革命

 「原因としてのロマン」へ | リアリズム批判



第四章 「リアリズムと浪曼主義」

 故郷喪失と「嘘」 | Romanの消滅 | 文芸復興と宗教改革

 二様の「悪魔」 | 「人類の等質化」のなかで | 階級脱落者としての知識人



第五章 「第二の防波堤」

「昭和十年前後」の共産党再建運動 | 平野謙におけるコペルニクス的転回

『世界文化』同人 | 『土曜日』



第六章 「革命の前日」

 消費組合運動の興り | 京都家庭消費組合 | 消費にもとづく統制と協同?

「自由主義時代」の終焉の先 | 京都消費組合 | 脱落への「志」

 物想うとき



第七章 「ある」の投擲

 嘘言の構造 | 回答的評価の機構 | 中井正一におけるコプラ

 和辻哲郎におけるコプラ | 保田與重郎におけるコプラ | うつす、ダブらせる



謝辞 引用文献一覧



【略歴】

長濱 一眞(ながはま・かずま) 批評家。1983年生まれ。

2014年、大阪府立大学人間社会学研究科で博士号取得(人間学)。

『子午線』編集同人。『週刊読書人』2019年論壇時評「論潮」担当。

その他の論考に「コンサルティングか、「社会思想」か?」(『情況別冊 思想理論編第3号』)、

「居心地の悪さ——イーストウッド『アメリカン・スナイパー』試論」(『戦争思想2015』)など。

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