ここすぎて水の径(新本)  石牟礼道子

Category : 石牟礼道子


※古本ではなく新本です※

ここすぎて水の径
石牟礼道子
2015年11月5日
弦書房


著者・石牟礼道子が66歳(1993年春)から74歳(2001年秋)の円熟期に書かれた長期連載エッセイをまとめたもの。この間、1996年の水俣・東京展での講演や天草、島原、阿蘇、九州山地の椎葉村への取材などかなり精力的に動き、人や自然の風物にふれている。のちに、『苦海浄土』『十六夜橋』『天湖』『水はみどろの宮』『アニマの鳥』など数々の名作を生んだ著者の思想と行動の源流へと誘うエッセイ集・珠玉の47篇。

地の底の青い川/おけらは水の祭/炎のまわり/春の落ち葉/原初の音/船のまぼろし/幻の湖/前世の草生/白い彼岸花/もとの渚に潮が戻りたがる/命の花火/石の中の蓮/産湯の記憶/ところの顔 他47篇を収録
(弦書房HPより)

――――
「すみまっせん、すみまっせん。一晩ちゅう約束じゃったそうで。それがその、人形さんにトマトを給らせるちゅうて、給らせる真似しておりましたら、汁をひっつけて。お顔が汚れてなかなか落ちずに。申訳ないことで」
あつこちゃんはその腰の後ろで、泣きベソをかいた顔を出したり引っこめたりした。
「いやあ、よろしゅうございますが、そげんこと。まあ、そりゃ、珍しかもんばご馳走になりましてなあ」
母は大急ぎで手を振った。小母さんは伏目勝ちに言った。
「そのう、トマトですが。トマトしかありませんもんで、持って来ましたが、お口には合いませんじゃろうなあ」
石牟礼道子『ここすぎて水の径』「水門」より

かつて「あつこちゃん」に我が身を重ねたけれど、今やわたしは「小母さん」の年ごろだ。
けれどますます小母さんの言葉づかいや身のこなしは遠ざかって、我が薄っぺらい言葉が耳につく。
石牟礼さんの世界は、ますます遠く、ますます懐かしい。

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2,592円(内税)

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