オビー キム・ヘジン

Category : 韓国文学。在日コリアン文学。


オビー 
キム・ヘジン
カン・バンファ 訳
ユン・ブンミ 訳
書肆侃侃房
2020年1刷

帯付き。カバー・本ともに状態良いです。書き込み見当たりません。


この本には、社会への扉がある。
仕事をし、金を稼ぎ、かすかな繋がりの中で会話を交わす。
それは、あなたかもしれないし、私かもしれない。
文学は、社会活動だ。
――山崎ナオコーラ(小説家)


『中央駅』『娘について』のキム・ヘジン、待望の短編集。


巨大な物流倉庫の職場で出会った、自分本位で他人と関わろうとしないオビーと、同調することばかりを考える自分との違いに心乱される「オビー」、チキン配達で出会った自殺願望のある男とのやりとりを滑稽に描いたデビュー作「チキン・ラン」、彼女にふられ、あてもなく訪れた公園で老人に誘われ始めたなわとびで、別れた彼女との気持ちを少しずつ整理する「なわとび」、スランプを抱えて筆が進まない語り手と、英語教室で出会った異国の人ワワとの心の触れ合いが行き着く先を描いた「ドア・オブ・ワワ」など、今を生きる不安定な若者たちの仕事や社会との関わりを描いた9編を収録。

『オビー』は、デビュー後の4年間に発表された9つの短編を一冊にまとめた、キム・ヘジン初の短編集である。デビュー作である「チキン・ラン」をはじめ、2016年に「今年の問題小説」の一つにも選ばれた「オビー」、ハンギョレ出版社の文学ウェブマガジンで連載されていた「真夜中の山道」、ハンギョレ新聞で連載されていた「ドア・オブ・ワワ」などが収録されている。
そこに登場するのは、フライドチキンの配達人や日雇い労働者、露天商や大学生など、もしかしたらどこかで偶然すれ違ったことがあるかもしれない、私たちの周りにごく普通に暮らしていそうな人物たちだ。彼らは、それぞれが常に「何か」をしている。彼らにとってはそれが世界の中心であり全てであるのに、ことあるごとに他人から「何をしているのか」?と訊かれ、「何をしてるんだろう」と自問自答する。彼らは答えを見つけ出そうと、また、自分の置かれた状況から抜け出そうともがき苦しむが、他者からすれば、それは目の端にも留まらないちっぽけな人生に過ぎず、読み手の心をもどかしくさせる。
(訳者あとがきより)

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